
このページでは、転職エージェントである「ワークポート」について
- 「転職相談サービス」に申し込もうか迷っている
- 評判が悪いという風のうわさを聞いた
- 転職に失敗しないか心配
という方に向けて、個人的に転職エージェントを利用した経験や統計的な観点も踏まえつつ、本当の評判を徹底的に調査してみました。
Googleの口コミで高く評価されている
まず、Googleのクチコミで評価を調査してみました。
結果は以下の通り、有名どころの転職エージェントの中では、ワークポートの評価が最も高くなっています。
会社名(サービス名) | 評価 | クチコミ件数 |
ワークポート | 3.8点 | 314件 |
G社 | 3.5点 | 235件 |
P社 | 2.3点 | 33件 |
M社 | 1.3点 | 45件 |
S社 | 2.1点 | 14件 |
E社 | 2.2点 | 33件 |
R社 | 1.7点 | 73件 |
D社 | 1.6点 | 18件 |
ただし、Googleのクチコミにはいくつか問題点がありますので、客観的に検証する必要があります。
Googleのクチコミは統計的ではない
本来の統計調査では、明らかに異常なデータは標本から除外するというクリーニング作業があります。
一方、GoogleのクチコミはGoogleアカウントさえ持っていれば誰でも書き込めますので、いたずらやサクラの可能性は排除できません。
ただし、それでもクチコミの件数が多ければ多いほど、信頼性は高まると言えます。
ワークポートやG社の場合、(下記したオリコン調査の規定数100件を遥かに超える)非常に多いクチコミ件数ですし、一定の信頼性はあると思われます。
そもそもクチコミは極端に振れやすい
また、SNSの炎上をデータで解き明かした山口真一氏の著書によればクチコミは以下のような特徴があるということです。
・クチコミは2、3、4点を付ける人が少なく、5点と1点が多い谷型の意見分布となっている。
・批判的な感情を抱いた人の方がクチコミを書く。山口真一.正義を振りかざす「極端な人」の正体(光文社新書)より
この傾向をみると、上記のように大手転職エージェント全般の評価が低くなっているのも頷けるところです。
転職活動が満足いく結果にならなかった人ばかりが書き込んでいるということですね。

では、ワークポートのクチコミはどうかというと、やはり5点と1点に振れている傾向にあります。
一般的なクチコミの傾向と同じですね。
一方、1点よりも5点が多くなっており、全体の点数を押し上げる結果となっています。
つまり、批判的な感情を抱く人よりも肯定的な感情を抱いた人の方が圧倒的に多かったということです。
転職エージェントは企業から成果報酬でお金を貰う以上、利用者からのクレームは必ず起きる
転職エージェントの評価が全般的に低い傾向についてもう少し補足します。
そもそも、転職エージェントは求職者の利用は無料で、企業側からお金を貰うサービスですから、利用者よりも企業側の意向に寄ったサービスです。
企業が払う紹介料は年収の30%が相場、つまり500万円なら150万円です。
エージェント経由で入社した社員が問題を起こした、早期退職してしまった場合、この150万円をドブに捨てることになるのは企業側です。
このようなことが起きれば、この企業はエージェントにクレームを入れ、取引終了となるでしょう。
つまりエージェントからすると、「この企業の傾向からするとこの求職者は採用されないだろうな」、「下手に紹介するとクレームが来るだろうな」というリスクを常に感じながら接している訳ですね。
これが最終的に「Webに掲載されていた求人に応募したのに結局取り次いでくれなかった!釣り求人だ!」というクレームとして表れてくるのですね。
これは転職エージェントというビジネスモデルの辛いところです。アドバイザーも板挟みになっているということで多少温かい目で見てあげましょう。

これは、ハローワークが利用者、企業ともに無料で利用できることからできることです。
高額な紹介料を払うのだったら即クレーム、取引終了でしょう。
オリコンの満足度ランキングには入っていない
他の調査ではどうでしょうか。オリコンの満足度調査である「転職エージェントのランキング・比較」を見てみましょう。
結論から言うと、「ランキングTOP」でワークポートは選外となっています。しかし、この調査、よくよく検証すると、統計的にも、常識的にもあまり参考になりません。その理由を客観的に説明していきます。
まず、「ランキングTOP」の会社を見て下さい。
- P社
- M社
- S社
- E社
- R社
- D社
Googleのクチコミでは軒並評価が低い会社が上位を占めているのはどういうことでしょうか?
これはGoogleのクチコミが参考にならないのか、この調査が参考にならないのか、若しくはその両方であるか、何れかということになります。
もう少し検証してみましょう。
統計上かなり怪しい調査である
こういった、統計調査は調査方法や標本の収集方法が統計的に厳密に定められた上で行われるものですが、オリコンの調査では以下のような調査方法となっています。
①「ランキングTOP」、「評価項目別」、部門の「業態別」においては有効回答者数が規定人数を満たした企業のみランクイン対象となります。②その他の部門においては有効回答者数が規定人数の半数以上の企業がランクイン対象となります。
オリコン顧客満足度ランキングより
ここにある「規定人数」ですが「100人」です。つまり、それぞれの企業の評価①は各企業100人の利用経験者による評価であると言えます。
更に、②は50人による評価になります。

これが統計的に信頼性があるのか?ということが問題になります。
この人数は統計上は標本数と言いますが、どれだけの標本数を集める必要があるのかは信頼係数や信頼区間などによって計算されます。
筆者は、あるシンクタンクでは統計的な信頼性を担保するために1社あたり300人を規定人数として調査をしていることを知っています。
これを踏まえると、オリコンの50人はかなり少なく、100人もギリギリアウトではないかと思われます。
つまりかなり低い信頼係数で計算された標本数であると言えます。これは文字通り信頼があまりできないということです。
統計的に正しくても、実態を示しているとはいえない
更に、満足度が滅茶苦茶高くても、標本数が99人までしか集められなかった企業はどうなるのでしょうか?
上記の前提によれば、ランキングに載らないことになりますね。
いくら満足度の高いサービスを展開していても、標本数が揃わなければランキング外とされてしまうということです。
これが全くおかしいことは明白です。
満足度が低いのか、標本数が集まらなかったのか判別できないからです。
このようなやり方では、利用者数が多い企業だけしかランキングに載らなくなります。
実際に大企業ばかりランキングされてしまっていますよね。
転職エージェントは、大企業もあればより規模で劣る企業もあるなど様々です。大企業ばかりランキングされてしまったら、満足度の実態を示しているとは言えないのではないでしょうか。
こうしてみるとGoogleのクチコミ評価が正しいことを逆説的に証明しているとすら言えます。
転職決定時に年収600万円以上の人はカウントされない
また、明らかに問題なのは以下の前提です。
過去7年以内に人材紹介会社を利用して転職したことがあり、決定時の年収が600万円未満の人
IT業界の転職の場合、年収600万円以上で決定することはざらにあることは周知のとおりです。
例えばワークポートの場合でも、年収700万円以上のIT系エンジニアの求人は、公開されているだけでも4,447件、年収1001万円以上の求人は545件あります。
こういった高年収の転職成功者の声が反映されていないというのは全くおかしな話ではないでしょうか。
上記を総合すると、
- オリコンの調査はランキングに載った企業を相対比較する用途にしか使えない
- ランキング外となった企業の顧客満足度が悪い訳ではなく、もしかするとより良いという可能性もある
- Googleのクチコミを否定する結果ではなく、むしろ逆説的に補完するものである。
という結論になります。
ワークポートの強みと弱みは?
上記のようなデータを踏まえつつ、ワークポートの強みと弱みを整理していきたいと思います。
どの転職エージェントも強みや弱みがありますから、ご自身の方向性にあったエージェントを選ぶと宜しいのではないかと思われます。
強み
- ITエンジニアの転職ではワークポートかレバテックキャリアと言われるブランドイメージがある
- Web系に強い(求人件数3,004件と上記業界最大手であるP社の3,503件と比べても遜色がない)
- 転職決定人数No.1(GOOD AGENT RANKING ~2020年度上半期~)
- 北は北海道から南は九州まで拠点があり、日本全国をカバーできる(営業地域を首都圏に制限しているエージェントは意外と多い)。
- コンシェルジュの対応が丁寧で良い(ただし、相性はある)
- 合わないコンシェルジュを交代してもらえる

弱み
- 社員の平均年齢は26.8歳(2020年4月1日時点)とR社の29歳よりも若く、経験不足から至らない点や間違いが起きる可能性がある(ただし、百戦錬磨のベテランよりも一生懸命対応してくれる可能性はある)。

ワークポートなどのエージェントを使って転職を成功させるには
ワークポートには上記のような強みや弱みがありますが、個人的に転職エージェントを利用した経験から、ワークポートをはじめとするエージェントを使った転職で成功する方法を書いてみたいと思います。
コンシェルジュと相性が合わないことはよくあることを知っておく
悪いクチコミに多いのが、コンシェルジュの対応に対する不満です。
一口にコンシェルジュといっても、十人十色です。年齢やキャリアもバラバラです。
平均年齢は26.8歳ですから、20代前半の人も相当多いのですが、30~40代もいるということです。生え抜きの新卒採用から、転職組もいます。
それぞれの志向も違います。
ワークポートのコンシェルジュは、年俸制+インセンティブ+交通費別途支給という給与体系ですが、インセンティブに貪欲な人もそうでない人もいます。
分けるとすれば、
- やりがい志向タイプ・・・利用者に親身になって接してくれるタイプで、利用者にとって条件の悪い企業は紹介しないよう努める
- 業績志向タイプ・・・自分の成果が出る方向に利用者を持っていこうとするタイプで、極力効率的に仕事をしようとするタイプ
と大きく分けられ、自分の方向性が明確な人は前者、あまり自分の主張が強くない人は後者が合ったりすることが多いです。

このコンシェルジェですが、一般的に1人で50人前後、様子見の人を含めると100人以上を担当することが多いようです。
ですから、確実に一定の割合で相性が合わないという状況が起きます。これは必然です。
コンシェルジェ本人に非がなくても、構造的にこのようなことになる訳ですね。
自分の方向性を決め、粘り強くこちらの希望を伝える
どこの転職エージェントのアドバイザーも、業績を上げるべく、決まりやすい糞求人を紹介してくる傾向はあります。
特に、業績志向タイプはこういった傾向がありますので、自分の想いが弱いと強引に入りたくもない企業に応募させられてしまいます。
私も、エージェントを利用した際は、担当のアドバイザー(女性)の言い方がきついことに加え、ステップアップにつながらないような糞求人を紹介してきましたので、かなり頭にくることも何度もありました。
しかし、粘り強く、自分の方針を伝え「これでは嫌です」と言うべき時はハッキリ言うことで、有名外資のITコンサル会社やGAFAMのうち一社、国内大手ITコンサル会社などステップアップにつながる求人を紹介して貰えました。
ですから、まず最初は自分の想い・方向性を明確にし、コンシェルジュに理解してもらうようにしましょう。
その上で重要となるのが信頼関係です。
自分の希望に合わない求人を紹介されても、言下に否定するのではなく、紹介した意図を聞き出しましょう。
もしかすると、こちらの話が分かりにくかったかもしれませんし、向こうは利用者のことを心から考えて提案しているかもしれません。
このように、コミュニケーションと信頼を積み重ねていくことが、最終的にはより条件の良い求人の紹介につながっていきます。
相性の悪いコンシェルジュに当たったら交代してもらう
それでも、良い求人を紹介してもらえない、それ以前に面接に遅刻してくる、連絡が遅すぎるなど対応の悪いコンシェルジュにあたってしまうことはあります。
その場合は、コンシェルジュの交代を願い出ましょう。
ワークポート自身でも、明確にコンシェルジュの交代をすべきケースを書いています。
- 紹介する求人が希望にマッチしていない場合はすぐチェンジ!
- 連絡が遅い(進捗報告をくれない)場合もすぐチェンジ!
ワークポートホームページより
もし、このようなケースに遭遇したら、コンシェルジュの交代を申し出てみましょう。
難しいことはありません。
ワークポートでは、「eコンシェル」というシステムを用意していますので、システム上で「担当者交代依頼」を出せば済みます。
面と向き合って辛い交渉をしなくても大丈夫ですので、安心して下さい。
まとめ
以下まとめです。
- ワークポートの評判は悪くない。むしろ良い。
- どこの転職エージェントも強みや弱みはあり、ワークポートも同様である。
- IT、特にWeb系に強い。
- 転職決定人数No.1という、驚異の決定力。
- 全国をカバーしているので、地方の方も対応して貰える。
- 経験年数の少ないコンシェルジュに当たると対応が荒い可能性はある。
- 相性の良いコンシェルジュに合うかどうかは運次第。駄目なら交代してもらおう。