名古屋でフリーランスエンジニアとして生計を立てていけるのか、結論としては「可能」です。
このページでは、
- 名古屋でフリーランスになって食えるのか不安。
- 中京圏でフリーランスとして儲けたい。
という方に向けて名古屋ならではの特徴、案件、月単価相場、利用できるフリーランスエージェントなどについてご紹介します。
Contents
名古屋は8~9割が業務系案件
名古屋のフリーランス案件の最大の特徴は、業務系案件が8~9割近くを占めることです。
社内のシステム開発の案件が多く、使用頻度の多い言語はJava、その次にPHPやC#、VB.NETと並びます。
名古屋と言えば製造業が有名です。
大手企業では、トヨタ、デンソー、ブラザー工業など、様々な有名企業が軒を連ねていている上に、名古屋に根差した老舗企業も多くあります。
フリーランス案件もこれらの主要製造業に関連したものが多くを占めています。
近年Web系案件も増加傾向にはありますが、それでもやはり業務系案件が圧倒的に多く、Web系は全体の1割程度です。
やはりWeb系の中心は東京で、名古屋を含む地方フリーランス案件は業務系が多い傾向に変化はありません。
詳細設計、環境構築、構築・テスト後の環境の現地導入、現場担当者、客先担当者への引継ぎ説明のメイン担当・サブ担当をしていました。
名古屋ならではのフリーランスにとっておいしい事情
上でも書いた通り、名古屋には製造業大手が多数本社を置いています。
その中でも最強と呼べるのが、トヨタです。
トヨタ関連の求人には人が多く集まるのですが、それ以外の求人にはなかなか求職者が集まりません。また、雇用形態についてのこだわりが強い求職者が多い傾向があり、人材業界では名古屋は採用が難しい地域として有名です。
このように需要と供給のミスマッチがある状況では、採用側としてはハードルを下げざるを得ません。
その結果、週3~4勤務、時短勤務OKなど、働きやすさを重視したフリーランス案件が多く出るようになったのです。
「大手」ということだけに囚われなければ、フリーランスとしては働きやすいおいしい案件がある地域と言えるでしょう。
名古屋のフリーランス求人数は意外と多い
名古屋のフリーランス案件数は、東京の10~25%と言われてます。
一見とても少なく見えますが、原因は東京の圧倒的な案件数の多さです。
様々な企業が本社を置く東京には、当然のことながら案件が集中するためフリーランス求人数も全国トップです。
しかし、東京以外の地方都市の中では、名古屋はフリーランス案件がかなり多くあります。
順位で表すと、
1位 東京
2位 大阪
3位 名古屋、福岡
の順で、上でも書いた通り、名古屋は製造業大手の案件が圧倒的に多く案件は潤沢です。
名古屋でフリーランスとして仕事を得られるのかという不安については、求人数を見ると問題ないと言えます。
ただし、人気案件の競争は激しいので、スキルと実績は充実させておく必要はあります。
理由は、某自動車会社系の案件が多く、製造業が好調なのが一番です。
ただ、某自動車会社系は見る目がシビアなので、業績や実績が不出来な場合はすぐに切られる可能性が大いにあるため、短期間での実績を上げる必要があります。
名古屋フリーランスへのコロナ禍の影響は大きい?
結論から言うと、多少の悪影響はあっても、将来的にフリーランスに追い風が吹く可能性があります。
既にフリーランスとして活動している方は、プロジェクトが中断してしまうなど、コロナ禍の負の影響を受けたケースもあるでしょう。
一時的に収入が減ってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、IT業界はもとより慢性的な人材不足です。案件が減少しても、現状業界としてはあまり大きな打撃は受けていません。
また、企業側には、人件費を抑えるために外注を増やしていく動きがあります。
正社員雇用は仕事の対価だけではなく、社会保険料の負担などコストが多くかかりますが、フリーランスに外注することで人件費を抑えることが可能です。
そのため今後フリーランス案件は増加する可能性があります。
さらに、このコロナ禍でリモートワークの環境整備が一気に進んだため、今後リモート可の案件も増加するでしょう。
一方、働き方の多様化により、今後フリーランスとして働くエンジニアの増加も予想されます。
名古屋は案件数も多い上に、この後詳細に触れますが、単価も地方では高い地域のため、東京を離れたフリーランスが多く集まる可能性があります。
フリーランスだけではなく、副業という選択肢も普及していくでしょう。
そのため、人気のある案件では競争が激化する可能性があります。
社会動向はまだ不安定で予測できないことも多々あります。
今後中小企業の倒産が増加した場合、開発案件の減少も予想されるため油断はできません。
フリーランス間の競争も発生するリスクもあるため、スキルを常時磨くこと、今取り組んでいる仕事に真摯に向き合い、クライアントから高い評価を得ることに注力することをおすすめします。
名古屋のフリーランス案件の単価
名古屋の案件は、平均すると月単価60~70万円程です。
全国水準で見ると、実はこの平均はかなり高めです。
最高水準の東京と比較すると、5~10万円弱マイナスにはなります。
しかし、地方都市の中でも案件数の多い大阪などは、東京より10~20万円程度下がるため、名古屋の月単価は地方都市の中でも高単価案件が多い地域であることがわかります。
上流SE案件では80万円超、プロジェクトマネジメント案件であれば100万円超の案件も存在します。
下請けであったり、エージェント経由で参画するなど、商流をいくつか間に挟むことになるので、多少のマージンは発生します。
しかし、家賃や物価が東京よりも安い名古屋で生活する上では、十分な収入が見込める水準です。
日本全国に拠点を持つSES企業の営業さんの話を聞く限り、名古屋は東京に近い単価感のようで、大阪と比較しても案件によって同等かそれ以上というケースも多いようです。
そういった事情を考えるとフリーランスエンジニアにとって名古屋は働きやすい環境が揃っていると言えますね。
愛知県の物価水準と賃金基準は高い?低い?
物価水準や賃金水準についてもう少し補足します。
愛知県が公表している「愛知県の物価水準について」によると、
2017年の消費者物価地域差指数(いわゆる物価指数)は、全国計を100とすると東京は104.4、愛知は98.0となっています。
これを順位でみると東京は1位、愛知は37位です。
名古屋が位置する愛知は、物価が非常に安い地域であると言えるでしょう。
一方で、月額賃金でみると、東京は377.5千円、愛知は318.3千円です。順位でみると東京1位、愛知4位です。
つまり、全国的にみても賃金は高い地域であると言えます。
総合すると、愛知県は物価が安い割に賃金が高く、非常に暮らしやすい地域ということが言えます。
名古屋で働いて満足できるのか?
悪かった点は特にありませんね。
良かった点は、客先によってはフレンドリーな会社だとのんびり、ゆったりしている点で親しみやすいです。
悪かった点は、どこの会社かは言いませんが、カイゼン・効率化を「徹底的に」求めてきます。客先や下請けを人間扱いしてこない会社もいますので、メンタルが強くない人はあの会社系の案件はやめておいたほうがいいです。
名古屋でおすすめのフリーランスエージェント
フリーランスエージェントは営業地域や得意領域がそれぞれ異なり、業務系が得意で名古屋に拠点があるエージェントの数は自ずと絞られてきます。
その中でもお勧めのエージェントを紹介します。
PE-BANK
【登録はこちら】【Pe-BANK】名古屋でフリーランスとして働くならば、登録必須とも言えるエージェントです。
1989年設立の老舗エージェントで、フリーランスという働き方がメジャーになる以前から地方にも範囲を広げており、地方案件に強いエージェントとして有名です。
全国規模では取引企業1000件以上、案件は常時5万件以上、Java、.NET(VB/C#)、インフラの順に案件が充実しています。
おすすめポイント①
ズバリ、地方案件の取り扱いが充実していることです。
PE-BANKの中部支店によると、常時100名以上のフリーランスエンジニアが稼働しています。
老舗エージェントなので、地元企業との強いパイプを持っており、名古屋も案件が豊富です。
おすすめポイント②
他エージェントと比較すると、中間マージンが抑えられます。
他のエージェントと異なり、共同受注契約で報酬を「分配する」という考え方で運用しています。
その分配率は契約回数毎に変動し、12%(1回~12回)、10%(13回~24回)、8%(25回以上)となっています(そもそも中間マージンの料率を一般に公開しているエージェントはごくわずかです)。
おすすめポイント③
エンジニア同士のつながりが持ちやすいエージェントです。
毎月勉強会や懇親会をしていて、エンジニア同士で情報交換ができる場を設けてくれます。
また、他エージェントと比較すると登録している人数も多いため、ネットワークを広げることができます。
ギークスジョブ
【登録はこちら】フリーエンジニア79.6%が金額アップ↑↑【ギークスジョブ】近年名古屋でも存在感が大きくなってきているエージェントです。
全国で会員数は15000人以上、登録者の平均年収は780万円と高額で、エンジニアとして一定の経験を積んできた方にオススメです。
おすすめポイント①
高単価案件を多く取り扱っているエージェントです。
中間マージンについての情報は公開していませんが、発注元企業から直接仕事を受注しているケースが多く、マージンは多少抑えられています。
スキルを求められる案件が多いため、報酬額が高く、フリーランスとしてがっつり稼ぎたいという方はぜひ登録しておきましょう。
おすすめポイント②
エージェントのサポート体制が手厚く、フリーランスならではの不安を解決するサポートを受けられます。
ギークスジョブでは、エンジニア1人につき、サポート担当、営業担当、コンサルタントの3人体制で細やかなサポートをします。
フリーランスとして働き出してまだ日が浅く、不安が多いという方には特におすすめです。
また、独自の福利厚生システムも導入している点も、サポートとしては安心です。
最低でも2年の実務経験は積むべき
ここは未経験でフリーランスになろうとしている方だけ読んでください。
まず、名古屋でエンジニアとしての実務経験がほぼない状態から突然フリーランスになることは、極めて困難です。
東京では未経験OKの案件が多少見つかりますが、名古屋を含む地方都市ではほぼ見つからないと考えておいてください。
理由は、そもそも案件が東京より少なく、即戦力性が重視されるからです。
上でも書いた通り、名古屋のフリーランス案件の水準は、全国の中でも高い位置にあります。
未経験でフリーランスになりたいと考えている方は、
- スクールなどでプログラミング学習
- 企業に属してエンジニアとしての実務経験を最低でも2年は積む
という手順を踏むのが最短経路です。
独学で学習することもできますが、挫折してしまう方も多いので、基本的にはオンラインなどのスクールがオススメです。
また、自分でアプリを開発するといったことも実務経験に含まれますが、名古屋は業務系案件が大多数のため、市場のニーズに合った言語を身に付けておくことが重要です。
詳しくは実務経験1年でもフリーランスになれるのか?という記事で書いていますので、是非参考にして下さい。
まとめ
まとめです。
- 名古屋は8~9割が業務系案件
- 名古屋はフリーランス案件数が多く、単価も高め
- 名古屋のおすすめエージェントはPE-BANKとギークスジョブ
- 即戦力が求められるため、最低でも2年程度の実務経験を積んでおくべき
名古屋はフリーランスエンジニアにとっては今後様々な可能性がある地域です。
コロナ禍の影響もあり、名古屋にUターンすることを検討している人、東京を離れようとしている方にとってはチャンスとなり得ます。
とはいえ今後フリーランス増加により競争が発生することも予測されるので、自分の市場価値を引き上げ続けることをぜひ念頭に置いておきましょう。