ネットの噂は本当?客先常駐の疑問まとめ【業界歴20年のSEが回答】

このページでは客先常駐の様々な疑問についてお話していこうと思います。
客先常駐SEで働いていると色々な疑問や知りたいことがでてきますが、
なかなか自社の営業に聞きにくかったり本当のことを教えてもらえなかったりします。

  • 客先常駐SEを辞めようか迷っている
  • 客先常駐について質問できる人がいない
  • 自社に対しての不信感がある
  • キャリアについて迷っている

こういった方向けの記事です。

ネット上の情報は一部の人が誇張していたり特定のバイアスがかかっていたり
するものがほとんどです。
著者はこの業界20年のエンジニアです。
自身の体験のみを元に色々な疑問に回答していきます。
是非参考にしていただければ幸いです。

組み込みSEは客先常駐に向いている?向いていない?

組み込み系エンジニアでSES会社に就職するという選択についての質問ですね。
結論からいうと「やめたほうがいい」ということになります。

理由は二点です。

  • 組み込みエンジニアは結局派遣先が限られている
  • 組み込みエンジニアはフリーランスのほうが稼げる

では説明していきます。

組み込みエンジニアは結局派遣先が限られている

組み込みエンジニアの場合、大手メーカーや組み込み系ベンダーなど派遣先はある程度
限られています。
商流が入っても結局同じエンドだった、ということはよくあります。

であればSES企業でなく、SIerやメーカーに就職したほうが年収や待遇がいいのは明らかです。
ある程度のスキルと学歴があれば結構面接まで進むのはイージーだったりします。
ですのであえて末端のSES企業で働く必要はありません。

ただし

・学歴がない
・スキルが低い
・ブランクがある

というようなエンジニアであればあえてSES企業に就職するという選択はありだと思います。

組み込み系エンジニアはフリーランスのほうが稼げる

組み込みエンジニアの場合、持ち帰り案件はほとんどありません。
同じように客先常駐で働くのであれば圧倒的にフリーランスエンジニアになったほうが報酬がいいわけです。

例えばクライアントが70万円払っていても派遣SEの場合、会社に色々とられて本人に払われるのが35万円とか40万円だったりする訳です。
一方でフリーランスであれば70万円払われたらエージェント手数料を引いても60万円くらいは支払いがされます。

それだけではありません。
客先常駐やSES企業の場合、正社員といっても派遣やアルバイトと変わりません。
売れなくなったら手当がカットされたりクビになったりする世界です。
30代や40代のいい時は搾取して、売れなくなったらクビという業界なのです。
それであればなるべく若いうちにフリーランスになってガッツリ稼ぐというのが賢い方法なのです。
(もちろんこういった話は客先常駐の会社はしてくれるはずがありませんが)

客先常駐でエンジニアが腐る理由について

我々は毎日8時間も仕事をしています。
そのため、その8時間をどのように過ごすかというのが仕事のやりがいや楽しさに直結してきます。
ただし客先常駐の場合、「クソ現場に飛ばされる」という大きな罠があります。
これはガチャのようにただの運ゲーのため避けようがありません。

客先常駐SEが腐る理由はこのあたりにあるのですが、例えば以下のような仕事をさせられる現場ですね。

  • 単調な仕事
  • 雑用
  • スキルアップできない仕事

派遣SEは現場を自分で選ぶことが難しいため、このような現場に行ってしまったら
ただ黙々と目の前の仕事をこなすしかありません。
(まさに社畜ですね)

どのような人間も時間は平等です。
スキルアップやキャリアアップを考えるのであればこういった現場で時間を浪費することは単なる無駄ということに気がつくでしょう。
このSES業界はエンジニア主体でなく、派遣会社主体で存在しています。
このあたりが人売りITと揶揄される理由なのです。

オファーがあった客先常駐の現場を断ることはできるのだろうか

これは会社によって異なります。
エンジニアに有無をいわさず働かせるところもありますし、ある程度ゴネられるところもあります。
ただし、ゴネると「問題児扱い」されて働きにくくなる面もあります。

エンジニアを評価しているのは現場でなく、会社の経営層だったり営業なのです。
彼らの印象が悪くなる=出社がしにくくなる
という面があるのは間違いありません。
このあたりを全く知らず好き勝手やると後で痛い目にあってしまいます。
とはいえ、嫌な現場では働きたくないというのは当たり前です。

この辺りに客先常駐のジレンマがあると思います。

  • 社畜と割り切って働く
  • 自分のキャリアのために転職する

このどちらからを選択するしかありません。
やはり優秀な人は転職しますし、そうでない人が残る傾向にはあるようです。
しかし残って社畜になったからといって所詮客先常駐の会社なので安泰ということにはならない、
ということは理解しておくべきでしょう。

客先常駐SEは産休をとれるかどうか

これは会社によると思いますが、とれるほうが多いのではないでしょうか。
もちろん給料や手当はありませんが。

ただし問題は産休そのものよりもその後の復帰が難しい点です。
育児をしながら働くとなると出社時間や労働時間、勤務地などで様々な制約が発生しますよね。

客先常駐の場合、条件が多いと案件が少なくなります。
案件が少なくなると待機の可能性も高くなりますし会社としてはいわゆる「扱いが難しい人材」となります。
このあたりの問題をクリアできるかが女性エンジニアの課題となる点です。

客先常駐は左遷なのだろうか?

自社開発と客先常駐を行っている会社において「客先に出されるのは左遷」みたいな見方もあります。
こういった環境で悲観的になっている人も多いようです。

ただしこれはどちらともいえない、というのが結論です。
理由はいくつかありますが

  • 大手企業以外は出世してもしなくても大差ない
  • 中小企業であればリソース次第で色々回されるから

というのが理由です。

大手企業以外は出世してもしなくても大差ない

中小企業でそこまで出世とか気にする必要があるのでしょうか?
大手企業であれば
・役員→年収1600万円
・部長→年収1300万円
・課長→年収1000万円

とか明確な違いが生まれるのは理解できます。
中小企業でしたら、役職があがったり多少出世しても年収アップのインパクトは非常に少ないと思います。
年収500万円と530万円の違いって微々たるものですよね。
本当に年収を気にするのであればさっさと転職したほうがずっと合理的です。

これをいってしまうと見も蓋もないのですがそういたこともあり「どちらともいえない」というか「どうでもいい」
というのが結論です。

中小企業であればリソース次第で色々回されるから

余裕がない中小企業だと左遷うんぬんではなく、ただ目の前のお金のことしか考えていないケースも多いです。

・受託とれたから社内に戻そう
・リソースが余りそうだから常駐させよう

みたいな。
ですのでそこまで気にする必要がないと思うのです。

客先常駐先での引き抜きやヘッドハンティングってどうなんだろう

客先常駐先での引き抜きや社員への勧誘、というのは業界的によくあることです。

  • 業務への理解がある
  • スキルの確認ができている
  • 一緒に働き人柄を知っている

これは企業側や採用側にとって大きなメリットです。
こういった企業にマッチする人材を採用するために企業は大金をかけているわけです。
無料で優秀なエンジニアを正社員にできたらめちゃくちゃ嬉しい訳です。

で、このようなケースはエンジニアとしてはどう考えたらいいんでしょうか。
結論からいうと
「マナー的には問題がある」「もしバレたら気まずい」
ただ
「法的には何の問題もない」
ということになります。

エンジニアに限らず自分が働く企業を選ぶ権利は誰にでもありますから、
気に入った会社で働けばいいと思います。
実際に客先常駐SEから脱出し、いい会社に入社するのはこういったケースが多いのも事実です。
(あまり大きな声ではいえませんが)

 

客先常駐は踏み台にすべきという考え方について

客先常駐を踏み台にすべきという考え方について、個人的には賛成です。
未経験であったり学歴がない方がエンジニアとしてキャリアを積むには客先常駐はぴったりです。
何故かというと「採用の間口が広いから」です。

  • 客先常駐の会社は誰でも入社できる
  • その一方でキャリアアップは難しい
  • 現場に恵まれるかは運次第

まずはこういった業界のことを理解しましょう。

「ただエンジニアとして働きたい」のであれば客先常駐の会社でもOKです。
ただし、「ある程度稼ぎたい」とか「キャリアアップしたい」とか「一流のエンジニアになりたい」
のであれば絶対に客先常駐からは抜け出さなくてはいけません。

こういった事をきちんと自分の中で整理したうえで、転職するのか今の会社に残るのか判断すべきでしょう。

 

まとめ

客先常駐の疑問についてまとめてみました。
客先常駐のデメリットに気がついた賢明な皆さんはすぐにでも転職活動を始めるべきです。
理由はいくつかあります。
・若いほうが市場価値が高く転職しやすい
・客先常駐SEは低年収が多いため、容易に年収がアップできる
・40代になると転職先の選択肢が非常にせまくなってくる

などなど。
転職は少しでも若いほうが簡単なのは言うまでもありません。
また、若い時期の就職企業が生涯年収を大きく左右します。いかにここに気がつき早く転職活動するか、というのが派遣SEにとってのポイントになります。

生涯年収に影響があると思うと早く動かなくちゃ!となるよね。

転職パンダ
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